こんばんは、今日はジョルジュ・ルオー展が17日(日)までと知り、土日は混むので今日北九州市立美術館 本館 にて観てきました。
今日はその感想など。
ジョルジュ・ルオーってどんな人
キリスト像を書いた人。という認識ぐらいしか私にはなく・・・
宗教画=むか〜しの人と思っていたら、
ジョルジュ・ルオー(Georges Rouault, 1871年5月27日 - 1958年2月13日)
60年前くらいまで、ご生存された方でした。失礼いたしました。
20世紀フランスを代表する画家、ジョルジュ・ルオー(1871-1958)は、敬虔なキリスト教徒であり、生涯にわたって「受難」や「キリスト像」などの宗教主題を数多く描きました。本展は、人間の苦悩、あるいは慈愛や赦しを表現したルオーの画業の軸である聖なる芸術に焦点をあてます。伝統的な画題でありながら、その造形表現は極めて革新的であり、テーマの根底には、同時代の社会や人間に対する画家の深い共感と理解がありました。文化の違いや国境を越え、今なお多くの人々を惹きつけているルオーの聖なる芸術の意味と現代性(モデルニテ)について、あらためて問います。
本展には、ヴァチカン美術館が初めて日本に出品する《秋 または ナザレット》などの作品群のほか、パリからはルオー晩年の傑作が多数来日します。国内外の《聖顔》や「聖書の風景」を描いた名品をあわせ、油彩画、水彩画、版画、資料を含む約140点を展覧します。ルオー芸術の集大成から、画家が目指した美しい愛のかたちに迫ります。(北九州市立美術館 紹介文より)
撮影OKのタペストリーより
ジョルジュ・ルオー氏
優しく思慮深い方のように見受けられます。
生い立ち
- 家具職人の息子として生まれ、ステンドグラス職人に14歳で弟子入り、その傍ら夜学に通いデッサンを学ぶ。
- その後画家になる決心をして国立美術学校に入学する。
- 国立美術学校でギュスターヴ・モローと出会う。
- 「博士たちの間の幼きイエス」がシュナヴァ-ル賞受賞。
- 師の死後、パリにモロー美術館が開館し遺言により館長を務める。
- この間に、黒い絵と笑われたりもする。
- 画商ヴォラ-ルに見出され専属契約を結ぶ。『ミセレ-レ』、『悪の華』などの版画集を計画。
愛と慈悲の『ミセレーレ』 北九州市立美術館所蔵
版画集ですので、墨絵よりももっと黒く、全体的に黒いです。
ミセレーレとは、慈悲という意味。
『ミセレーレ』01「神よ、我らを憐れみたまえ、あなたの大いなる慈しみによって」
というタイトルから始まります。
結構テーマは重いです。聖書に出てくる言葉やメッセージが絵に込められています。
時折、明るい表情なのかな?というものもあります。
重いな〜。受難だ。絵も黒いし・・・
と思っていると・・・
タイトルが素敵!そしてクスッ。
タイトルもとても秀逸なことに気がつきました。
『ミセレーレ』04「罪と悪意のこの世で、孤独」
『ミセレーレ』12「生きることはつらい業・・・」
『ミセレーレ』13「でも愛することができたなら、なんと楽しいことだろう」
『ミセレーレ』14 「歓楽の娘と呼ばれるが」
『ミセレーレ』15「清らかだった唇に、苦い味」
12-13 14-15は連作です。
私が
あれ?これは他のとトーンが違うぞ。
と思ったタイトルは
『ミセレーレ』36「これが最後だよ、おやじさん!」
あれ?これ、
おやじさん?
笑いたかったけれど、
神妙な面持ちで絵をご覧になっている方ばかりで、
敬虔なキリスト教徒かも?
と思ったので、
私も神妙なふりをして楽しんでいました。
タイトルも、素敵ですよ。
よろしければ、ご覧ください。
http://kmma.jp/honkan/exhibition/img/georges-rouault_list.html.pdf
何枚も観ていると。同じ黒一色の絵でも、あ、これは明るい表情してる。
これは悲壮感漂ってるね。
あ、これは、ルオーさんはおバカさんに描きたかったんだね。
などというのがわかってきました。
見方によれば、結構チャーミングなイラストっぽいのもありましたよ。
油彩のものは、絵の具で絵に凹凸があったりして、どれだけ絵の具を塗ったの?というものもありました。
何枚も何枚も同じような構図の絵も。
絵を描くということは、こうやって何枚も描いてこそ到達する域というものが、あるのだろうな〜。と思いました。
『ミセレーレ』の版画60点くらいは 北九州市立美術館所蔵で
『ミセレーレ』以外にも20点くらい、色刷りなど北九州市立美術館所蔵のものがありました。
北九州市立美術館、意外と良い所蔵品持ってたんだね。(失礼)とも思いました。
福島繁太郎さんという方との交流があった事も知りました。
その他、バチカン美術館、ポンピドゥセンターパリ国立近代美術館、パナソニック汐留ミュージアム、ルオー財団協力の個人蔵のもの、など、これだけのものを一箇所に集めるのはとても大変だっただろう事も感じました。
なんとなく、神様に会いに行って、心が洗われた感じがしましたよ。
あの有名な浮世絵も展示中でした!!
こちらの浮世絵展も有名な絵が揃っており、じっくり観たかったのですが、閉館の時間が近くなってしまい、ささ〜〜っと観ました。
3月24日までこちらは展示されていますので、時間を見つけてじっくりまた見にいきたいです。
北九州市立美術館 本館 はとても良い眺め
北九州市立美術館は、本館 アネックス|分館|黒崎市民ギャラリーと
3ヶ所に展示場所がありますので、みたい美術展がある時は、何処であるのかしっかり確認していかなければなりません。
- 本館 アネックスは、戸畑の丘の上。
- 分館は小倉のリバーウォークにあります。
- 黒崎市民ギャラリーは、駅前のコムシティーにあります。
今日、到着した時の本館です。
この美術館、建築家磯崎新氏によるものです。
カテドラルをイメージして設計されたのだとか。
ロビー
今日、夕方は割と空いていましたので、人がいないタイミングを見計らってパチリ。
かっこいい〜。内部も対照的に設計されています。
映画「図書館戦争」のロケ地に使われています。
この建物で、ドカンボカン。(合成でしょうが)
北九州市、太っ腹です。笑
カフェからの眺め。
関門海峡や海の奥の島まで見えましたよ。
帰りの方が晴れてきて、そして月が。
17:30ギリギリまでいました。
美術館、開館は11時くらい遅くていいから20時くらいまで空けていただけると、せっかく「新日本三大夜景」になった事だし、仕事帰りにも寄れるデートスポットになるのに。と思いました。
2月17日は北九州マラソン
今度の日曜日は、北九州マラソンがあり交通規制があるので、美術館に行こう!と思われた方は、しっかりマラソンコースや規制の時間を調べて行かれると良いと思います。
- 作者: 小林忠,富田智子,内田欽三,内藤正人,菅原真弓,山本ゆかり,田沢裕賀,田辺昌子,神谷浩
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久しぶりに美術館へ行きましたが、たまには良いですね。
それでは、また!