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内田裕也さんに遭遇した時のお話。

ボタン

こんにちは。

内田裕也さんの訃報が届きました。

樹木希林さんの半年後にお亡くなりになるなんて、離れていても仲の良いお二人だったのですね。

今日は、私が内田裕也さんと、唯一遭遇した時のお話をさせていただきます。

 

えっ?こんなところに内田裕也さん?

それは、もう10年以上前のこと、私がハギレが欲しくて、三軒茶屋の小さな手芸屋さんに行ってハギレをあ〜でもない、こうでもない、と物色していたところ・・・

そのお店には似つかわしくない、長身、わさ〜っと白髪というか金髪というか・・・な方が、現れ、狭いお店が一層狭く感じ

 

お店の方に、

「黒いボタンを探してるんだけど。このジャケットにつけるやつ。」

と。

お顔を見たら紛れもなく、内田裕也さんではないですか!!

ベロア?ベッチン?ビロード?の黒のジャケットに合うボタンを探されていました。

「ちょっとここのボタンが取れちゃってさ〜。全部取り替えてもいいんだけど。」

(多分初めてのお店なのに、相談の仕方が、可愛い)

 

私の心の声

「えっ?内田裕也さんだよね?自分でボタン選んで、自分でチクチクするのかな?」

(内田裕也さんが、ボタン付けしているの図を想像・・・そこまではやらないよね。)

「いや、ボタンだけ買って、誰かにつけてもらうのかな?」

「それにしても、自分でボタンを選びに来るなんて!こだわりのジャケットなのかな?」

なんて思っていると

 

お店の方が、

「このジャケットのボタンの穴に合うのは、このあたりの大きさのボタンですね〜。」と数点見せていらっしゃいました。

 

内田さん

「ん〜。ちょっとイメージと違うんだよな。もう少しシンプルでいいんだよな。これ以外ない?」

お店の方

「今あるのはこれだけで・・・」

内田さん

「そうなの。わかった。他探してみるよ。ありがとう。」

と颯爽とお店を後にされました。

 

私の心の声

「あ、私、ボタンだけ売っているお店知ってるから教えてあげようかな?

でもあそこのボタンは、シンプルというより面白ボタンだから売ってないかな?

お店まで連れて行ってあげてもいいんだけど?断られるかな?でも私も時間がないし・・・」

と思っているうちに内田さんの姿は何処へやら・・・

 

お店の方、

「今の人内田裕也さんよね〜。ご自分で買いに来られるのね〜。」と盛り上がっていました。

 

内田裕也さんと手芸屋さん。

ロックンローラーから、かけ離れたイメージの場所に現れたので、強烈に覚えています。でも、ちょっと可愛いですよね。

 

普通のサラリーマンだったら、奥さんまかせだったり、

知人に選んでもらったりするのでしょうけれど、そこはアーチスト。

自分が着るもののボタンを自分で選ぶ。

内田さんのこだわりや人の良さのようなものを感じました。

 

私が、内田裕也さんという人に遭遇したのは、これ1回きりです。

 

ボタンがあってよかった。

その数日後、テレビを見るとあの日のジャケットを着て歌を歌ってらっしゃるのを拝見しました。

ボタンまでははっきり確認できませんでしたが、ジャケットのボタンはしっかり止まっていました。ご本人がチクチク縫われたか、周りの方が、付けてあげたかは謎ですが、

勝手に「ボタンがあってよかった。」と思いました。

 

ロックンロールなイメージの内田裕也さんですが、

あの遭遇以来、私の中で、可愛いおじいちゃん、というイメージで好きになりました。

こういうエピソード言われたくないかな?笑

 

内田裕也さん、今頃、樹木希林さんに逢いにいらしているでしょうか?

 

ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

 

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